プロローグ
温泉大好きの皆さん、「温泉談義」のページを覗いてくださってありがとうございます。極楽湯のホームページに集って、温泉談義に花を咲かせませんか。
温泉がなみなみと満ちあふれる湯槽に浸かっていると、とても幸せな気分になります。「あー、極楽極楽!」なんて声が聞こえてきそうですね。湯上がりの生ビールなんかを想像すればいっそう極楽気分です。
ところがです、このページでは、そういった入浴云々だけでなく「さらに一歩前進した温泉とのつきあい方」を提案したいと考えています。それは知的な極楽への誘いです。「知識と興味関心は互いにフィードバックする」という言葉がありますが、温泉について知れば知るほどさらに温泉に質の高い興味を抱くことになると思います。
温泉はブラックボックスではありません。温泉はそもそも自然の産物であり、さまざまな地下環境のもとで多様な温泉が生成され、地上に移動し、湧出し、変質するという過程をたどります。私たちが温泉の素顔を正しく理解するこは、温泉入浴への興味関心を高めることにとどまらず、温泉を安全で快適に利用していくための適切な判断力を身につけることにもつながると確信しています。
さあ、これから皆さんを、「新たな温泉の世界」に誘います。
申し遅れましたが、この「温泉談義」を執筆いたします古田靖志です。温泉という自然現象をさまざまな角度から研究しております。また、温泉の正しい知識を普及するために博物館で「温泉展」を開催したり、温泉博物館をプロデュースするようなことも行っております。どうぞよろしくお願いします。
古来、人々は、普通の地下水(いわゆる"常水")と、温度や成分の面で明らかに区別できるような地下水を「温泉」または「鉱泉」などと呼んで、井戸水や山水などとは違った使い道で利用して来ました。
第1回では、温泉の定義について、解説いたします。
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温泉が湧いている場所は火山の付近だけでしょうか。
「極楽湯」の温泉は、すべてが非火山性の温泉です。いったい極楽湯の温泉はどうして湧き出すのでしょうか。
温泉が沸く仕組みについて、解説いたします。
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温泉の楽しみは、「どんなお湯と出会えるか」ということですね。
温泉にはいろいろな成分がとけ込んでいるために、お湯の質(泉質)はさまざまで、厳密には2つとして同じ泉質の温泉はありません。
今回は泉質について解説いたします。
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前回の単純温泉に引き続き、温泉の泉質の分類についてご紹介いたします。
今回は塩類泉。ここでいう「塩類」とはいわゆる食塩のみを指すものではなく、陰イオンと陽イオンが結合してできる物質(塩)の含まれる温泉を指します。
塩類泉の様々な分類について、解説いたします。
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前回の塩類泉に引き続き、温泉の泉質の分類についてご紹介いたします。
今回は特集成分を含む療養泉。「二酸化炭素」、「銅イオン」、「鉄イオン(Fe2+とFe3+の総量)」、「アルミニウムイオン」、「水素イオン」、「硫黄(遊離硫化水素と硫化水素イオンとチオ硫酸イオンの総量)」、「ラドン」の7種類の物質(特殊成分)含む温泉について解説いたします。
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よく「温泉は五感で楽しむもの」と言われます。なるほど、温泉の色、香り、肌触り、源泉が湯船に流れ込む音、温泉の味などは、温泉入浴の魅力や満足感を大きく左右する要素です。今回は、その中の「温泉の色」について話題にしたいと思います。
温泉の湯の色は実に多彩です。大きくは、無色透明、乳白色、灰色、黒色、茶色、赤色、青色、緑色などに区別できますが、さらにその中間色のような色もありますね。また、同じ温泉であっても、日によって色が変化する事例も知られています。温泉にはなぜいろいろな色があるのでしょうか。
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乳白色の温泉
火山地帯に存在するいわゆる"火山性の温泉"の中には、乳白色の温泉が数多く存在しています。そのほとんどが硫化水素臭を伴うため、家庭の浴槽にはない温泉の色と香り満喫できます。
乳白色の温泉は、そのほとんどが地中から湧き出したばかりは無色透明です。湧き出た後、空気に触れることによって乳白色へと変化します。
なぜ、透明の温泉が、乳白色へ変化するのでしょうか。
その不思議を科学的に解説いたします。
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茶色の温泉
茶色に濁る温泉は鉄分を含む含鉄泉です。地中より湧き出したばかりはほとんどが無色透明です。温泉が地上に湧き出すと、空気中の酸素に触れ、イオンとして溶け込んでいた鉄分が酸化されて酸化鉄(いわゆる"さび")の茶色い沈殿物を生じます。この沈殿物(析出物)の懸濁(けんだく)により茶色く濁ります。
黒色の温泉
東京周辺には、「黒湯」とよばれる黒色の温泉が多く存在します。極楽湯の横浜芹が谷店(神奈川県)や和光店(埼玉県)なども黒湯の温泉です。
なぜ、透明の温泉が、茶色・黒色へ変化するのでしょうか。
その不思議を科学的に解説いたします。
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緑色の温泉
無色透明の温泉でも、深い浴槽に湛えられた温泉は一般的には緑色っぽく見えます。こ
れは、太陽光の赤色系の波長の光が水に吸収されるために起こる現象です。これとは別に、
まるで蛍光色の入浴剤を入れたかのような鮮やかな黄緑色の温泉があります。
今回は「緑色の温泉」と「色の変化する温泉」について、解説をいたします。
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温泉水に含まれている成分が析出してできる沈殿物や付着物を総称して温泉華(おんせんか)
といいます。
温泉に含まれる成分は多様であり、成分の違いにより、さまざまな種類の温泉華ができ
あがります。温泉華を構成する主成分の違いにより、珪華、石灰華、硫黄華、鉄華(褐鉄
華)、硫酸塩華などに分類されます。
今回は石灰華について、解説いたします。
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硫黄華
温泉に含まれている成分のうち、硫黄が沈殿したものを硫黄華といいます。硫黄華は特に火山の噴気地帯やその周辺の温泉に多くみられます。
今回は「硫黄華」について、解説をいたします。
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珪華
温泉中に含まれている珪酸を主成分とする温泉沈殿物を珪華といいます。珪華を大量に生成する温泉の多くは高温の温泉です。
硫酸塩華
硫酸カルシウム(石膏)、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸バリウム(重晶石)などの硫酸塩を主成分とする温泉沈殿物(温泉華)を特に硫酸塩華と呼びます。硫酸塩華の中でも特によく知られているのが、秋田県玉川温泉から産出する"北投石(ほくとうせき)"です。
褐鉄華
温泉水中に含まれる鉄分が褐鉄鉱(針鉄鉱)となって析出してできる沈殿物を褐鉄華と呼びます。茶色の沈殿物ですので目立ちやすく、自然の中では褐鉄華の存在で温泉の自然湧出を発見することもめずらしくありません。
今回は「珪華」、「硫酸塩華」、「褐鉄華」について、解説をいたします。
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浴槽に新しいお湯が満たされたばかりに一番最初に入るのが一番湯。誰も入っていない新鮮なお湯に入るのは気持ちが良いものですね。
ところで、このような一番湯については、よく「一番湯はかたい」とか「一番湯は年寄りに入らせるな」「一番風呂は体に悪い」といった言葉を耳にすることがあります。
今回は「一番湯はかたい」「一番湯は年寄りに入らせるな」を科学の目で解説いたします。
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体を温めると増える"ヒートショックプロテイン"
温泉の効能として、温熱による効能が知られていますね。すなわち体を温めることによる効能です。温泉関係の本などには、体を温めることにより血行が促進されることや、神経を刺激するといった説明が成されています。ところが、今年の9月に行われた日本温泉科学会において、愛知医科大学の伊藤さんによる温熱効果を新しい観点から科学的に説明したとても興味ある報告がありましたので紹介します。
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"温泉の効能"が変わる!?
温泉施設では、脱衣所等の見やすい場所に成分や禁忌症(入ってはいけない症状)、入浴上または飲泉上の注意事項を掲示することが温泉法の第18 条で決められています。みなさんも極楽湯をはじめさまざまな温泉施設で目にしたことがあると思います。そのような掲示板に記載されている禁忌症や温泉の効能の見直しが、今、環境省によって進められています。どうして温泉の効能や禁忌が変わるのでしょうか。
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私たちは、温泉に入浴すると、体にさまざまな刺激を受けることになります。温熱による刺激の他に、温泉に含まれる成分による刺激、静水圧や浮力による刺激などです。また、温泉地では、まわりの自然環境や日常生活から解き放たれた環境による刺激を受けることもあります。このようなさまざまな刺激を単発的または継続的に受けることにより、体の機能が良い方向へ改善される効果が得られることがあります。
今回は「入浴によるさまざまな刺激と効果」について、解説をいたします。
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箱根の大涌谷や草津温泉など、温泉が自然にどんどん湧き出すような温泉地は、多くが火山性の温泉で、活火山の周辺に存在しています。
今回は日本一の山、富士山と温泉の関係について、解説をいたします。
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平成23年3月11日、マグニチュード9.0という国内観測史上最大の地震が発生し、死者・行方不明者が2万人を超す未曾有の大災害が生じてしまいました。亡くなられた方々には心よりご冥福をお祈りいたします。また、被災された皆様にはお見舞い申し上げますとともに、一刻も早く支援が行き届き、安心した生活が取り戻せますようお祈りいたします。
今回の大地震という自然の猛威は、温泉にも多大な影響を与えています。今回は地震と泉質の変化のメカニズムについて解説いたします。
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前回に引き続いて、巨大地震と温泉の関わりについてお話ししたいと思います。
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今回は、温泉の成分を測定する実験を紹介します。
いずれも、身近にあるものや、手に入りやすいものを使用した簡単に出来る実験なので、いろいろな温泉巡りをする際に、ちょっとだけこうした科学を取り入れてみると、楽しみも倍増するかもしれませんね。
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今回は、研究者によって温泉がどのように研究されているか、温泉を研究する学会や学術団体についてご紹介いたします。
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温泉についての知識についてもっと知りたくなった時、温泉に関する本を探してみると、専門的な内容を平易に解説する普及書は意外に少ないものです。
今回は温泉の専門的な知識を、平易に得るための方法をご紹介します。
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福島第一原子力発電所の事故以来、「放射能」にかかわる切実な問題が報じられ続けています。そんな中で、「放射能汚染」、「放射能漏れ」、「放射能を浴びた」など、実は誤って使われている言葉が氾濫しており、放射能に関する意味や用語が正しく理解されていない状況が伺えます。また、放射性物質に対する不安が拡がる中で、温泉の「放射能泉は大丈夫なのかなあ」といった声も聞かれるようになりました。
放射能や放射能泉とは、一体どのようなものなのでしょうか。
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少し古いデータになりますが、1992 年にわが国の温泉の泉質の統計が報告されています。それによると温泉の中で放射能泉の占める割合は7.7 %となっています。環境省の最新データによりますと、全国で登録されている温泉の泉源の総数が27,825 となっていますので、7.7 %でも、放射能泉の数は2,000 を越えることになります。
福島第一原発事故以来、放射能という言葉がついた放射能泉に対して、「入っても本当に大丈夫なの」という声が聞かれるようになってきました。それでは「放射能泉」とは、一体どのようなものでしょうか。
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放射能泉の中に含まれる放射性成分は、ラジウムとラドンであることを前回お話ししましたが、特にラドンは壊変する前の親核種のラジウムの平衡量より圧倒的に多く存在しています。すなわち、放射能泉に含まれる放射性成分の主流はラドンであるといえます。「○○ラジウム温泉」という名称の温泉も、実は実際に含まれているのは固体のラジウムではなく、気体のラドンである場合が一般的です。
「それでは、放射性物質であるラドンを含む放射能泉は大丈夫か」という不安の声が聞こえてきそうです。今回はラドンについて解説いたします。
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古くから温泉が湧き出しているような温泉地には、温泉と関わりの深い文化が存在しています。食に関する文化もそのひとつです。多くの温泉地には名物とよばれる食べ物があり、温泉地を訪れる楽しみでもあります。
温泉を利用した名物には、高温の温泉で茹でて調理したもの、温泉蒸気で蒸して調理したもの、温泉水そのものを素材のひとつとして調理したものなどがあります。その中で、今回は「温泉たまご」を取り上げてみました。
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著者のご紹介
古田 靖志
【略歴】
1961年 岐阜県生まれ。
岐阜県博物館地学担当学芸員、岐阜県先端科学技術体験センター地学担当等を経て、
現在、下呂発温泉博物館名誉館長。
日本温泉文化研究会副会長
日本温泉地域学会理事
日本温泉科学会会員
【著書】
「温泉学入門」(コロナ社 共著)
「日本温泉地域資産」(日本温泉地域学会刊 共著)
「温泉の文化誌 -論集温泉学 I -」(岩田書店 共著)
「温泉展」(岐阜県博物館)
「水と大地のハーモニー」(岐阜県博物館)
「温泉手帳」(下呂発温泉博物館発行)
「おとなのための温泉旅ドリル」(ダイヤモンド社 共著)
ほか
岐阜県博物館の学芸員として、2002年に、温泉の科学と文化を対象とした日本初の温泉に関する総合的な特別展「温泉展」を企画、好評を博す。また、2005年には、特別展「名水・温泉・名勝展」を企画し、好評を博すると共に、温泉に関する資料を全国から収集しその重要性を広め、「温泉博物学」という分野を確立した。
2004年に下呂温泉に開館した日本初の温泉専門の博物館「下呂発温泉博物館」をプロデュースし、現在も名誉館長として学術面を充実させている。