前回の塩類泉に引き続き、今回は特殊成分を含む療養泉についてご紹介いたします。
(3) 特殊成分を含む療養泉
「二酸化炭素」、「銅イオン」、「鉄イオン(Fe2+とFe3+の総量)」、「アルミニウムイオン」、「水素イオン」、「硫黄(遊離硫化水素と硫化水素イオンとチオ硫酸イオンの総量)」、「ラドン」の7種類の物質(特殊成分)のうち、いずれかを基準値以上含む温泉は、「特殊成分を含む療養泉」として分類されます。「特殊成分を含む療養泉」は、さらに、「特殊成分を含む単純温泉」、「特殊成分を含む単純冷鉱泉」、「特殊成分を含む塩類泉」に細分されます。
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特殊成分を含む単純冷鉱泉
特殊成分のいずれかを基準値以上含む温泉で、温泉1kg中に成分(ガス性のものを除く)を1000mg(1g)未満しか溶かし込んでいない25℃未満の温泉(冷鉱泉)です。具体的な泉質名は、単純二酸化炭素冷鉱泉、単純鉄冷鉱泉、単純硫黄冷鉱泉などのように、「単純」という文字と「冷鉱泉」という文字の間に該当する特殊成分名を入れて表記します。特殊成分が水素イオンの場合は単純酸性冷鉱泉のように「水素イオン」という文字の変わりに「酸性」という文字を、「ラドン」の場合は「放射能」という文字を入れることになっています。
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特殊成分を含む単純温泉
特殊成分のいずれかを基準値以上含む温泉で、温泉1kg中に成分(ガス性のものを除く)を1000mg(1g)未満しか溶かし込んでいない25℃以上の温泉です。具体的な泉質名は、冷鉱泉の場合と同様に、「単純」という文字と「温泉」という文字の間に該当する特殊成分名を入れて表記します。「水素イオン」や「ラドン」の場合はそれぞれ「酸性」および「放射能」という文字を入れます。例)単純硫黄温泉、単純放射能温泉
特殊成分を含む単純温泉や冷鉱泉の泉質名表記の場合、「単純硫黄泉」「単純二酸化炭素泉」のように、温度による分類を示す「温」や「冷鉱」の文字を省略することもできます。
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特殊成分を含む塩類泉
特殊成分のいずれかを基準値以上含む温泉で、温泉1kg中に成分(ガス性のものを除く)を1000mg(1g)以上溶かし込んでいる温泉(塩類泉)です。この場合、温度は関係ありません。
塩類泉の中で、水素イオンを規定量以上含む温泉は、塩類泉の泉質名の最初に「酸性-」と付けます。また、ラドンを規定量以上含む温泉は、塩類泉の最初に「含放射能-」と付けます。ハイフン(-)は必ず付けることになっています。
例) 酸性-アルミニウム-硫酸塩泉、含放射能-ナトリウム-塩化物泉
水素イオン以外の特殊成分を基準値以上含む塩類泉の場合、塩類泉の泉質名の最初に「含二酸化炭素-」、「含硫黄-」などのように「含」という文字の後ろに該当する特殊成分名とハイフン(-)を付けます。
例) 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉、 含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物泉
湧き出したばかりの単純鉄泉や含鉄泉の源泉に緑茶を入れると、温泉の色が真っ黒に変化することがあります。これは緑茶の中のカテキンに含まれているタンニンという物質が鉄イオンと反応してタンニン鉄という黒い沈殿ができるためです。鉄分の補給のために鉄分を多く含んだ温泉水を飲んだ時、すぐに緑茶を飲むと、体内に吸収されにくいタンニン鉄ができて、鉄分の補給ができにくくなるので注意する必要があります。
単純硫黄泉や含硫黄泉の硫化水素型の温泉に入浴する際、銀製の指輪やネックレスなどを付けたまま入浴すると、銀と硫化水素が反応して黒い硫化銀になり、銀製品が黒く変色してしまうので注意する必要があります。

那須湯本温泉河原の湯共同浴場(栃木県)
酸性-含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)

有馬温泉(兵庫県)のいわゆる"金泉"
含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉

増富ラジウム温泉(山梨県)
含放射能-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

七里田温泉下湯(大分県)
含二酸化炭素-マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉