前回の単純温泉に引き続き、今回は塩類泉についてご紹介いたします。
(2) 塩類泉 温泉1kg中に1000mg(1g)以上の物質(ガス性の物質を除く)を溶かし込んだ温泉を塩類泉といいます。ここでいう「塩類」とはいわゆる食塩のみを指すものではなく、陰イオンと陽イオンが結合してできる物質(
塩)のことです。
塩類泉は、主成分としてどのような陰イオン(マイナスイオン)が含まれるかによって、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉に細分されます。
1978年の「鉱泉分析法指針」の改訂により泉質名の表記法が変わり、塩類泉の場合は、それまで「食塩泉」と呼ばれていたものは、「ナトリウム-塩化物泉」というように、陽イオン名と陰イオン名をハイフン(-)で結んで記すことになりました。現在でも両方の泉質名表記が混在して使用されているため、「食塩泉」のような改訂以前の泉質名表記を旧泉質名、改訂以降の泉質名表記を新泉質名と呼んで区別しています。
塩類泉は次のように細分されます。
- 塩化物泉
塩類泉のうち、塩化物イオンを陰イオンの主成分とする温泉を塩化物泉と呼びます。ナトリウム-塩化物泉(旧泉質名:食塩泉)、カルシウム-塩化物泉などがあります。ナトリウム-塩化物泉のうち、ナトリウムイオンを5.5g/kg以上、塩化物イオンを8.5g/kg以上含むものを特にナトリウム-塩化物強塩泉(強食塩泉)と呼びます。極楽湯では、札幌手稲店(北海道)、幸手店(埼玉県)など5店がナトリウム-塩化物強塩泉、宇都宮店(栃木県)など15店がナトリウム-塩化物泉です。

日本有数の塩分を含有する有馬温泉(兵庫県)

塩化物泉の鹿塩温泉(長野県)を煮詰めて作る山塩
- 炭酸水素塩泉
炭酸水素イオンを陰イオンの主成分とする塩類泉を炭酸水素塩泉と呼びます。ナトリウム-炭酸水素塩泉(旧泉質名:重曹泉)、カルシウム-炭酸水素塩泉などがあります。このうち、ナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)は弱アルカリ性からアルカリ性であるため、皮膚の角質層を軟化させてツルツル感が生ずるため、「美人の湯」と呼ばれることがあります。極楽湯では副成分として重曹を多く含む温泉に上尾店(埼玉県)、多摩センター店(東京都)、横浜芹が谷店(神奈川県)などがあります。
- 硫酸塩泉
硫酸イオンを陰イオンの主成分とする塩類泉を硫酸塩泉と呼びます。
ナトリウム-硫酸塩泉(旧泉質名:芒硝泉)、カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)、マグネシウム-硫酸塩泉(正苦味泉)、鉄(II)-硫酸塩泉(緑礬泉)、アルミニウム-硫酸塩泉(明礬泉)などがあります。極楽湯では福島郡山店(福島県)が硫酸塩泉(ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉)です。
硫酸塩泉には「硫酸」とか「硫黄」の「硫」という字が使われているため、「ひりひりするお湯」であるとか、「硫黄が含まれているお湯」などのように誤解されていることが多いのですが、決してそのような特徴の温泉というわけではありません。